テストプロセスは、最終的にソフトウェアの品質を確保し、運用に問題なくサービスを提供するための段階であり、サービスの適否を判断するために実行されます。下流工程で大切なプロセスの一つであります。

システム開発工程

1.下流工程でのソフトウェアテストの種類

ソフトウェアテストは、開発したソフトウェアに潜む不具合を発見するために重要なプロセスです。このプロセスは、以下の4つの要素に分類できます。

• 工程
• 品質
• 実行方法
• 技法

以下では、これらの要素について詳細に説明します。

1.1. 工程に関するテスト

工程において、以下の4つの主要なテストが行われます。

• 単体テスト: 個々のプログラムが正しく動作するかを検証します。
• 結合テスト: 個々のプログラムが組み合わさっても正しく動作するかを検証します。
• システムテスト: プログラムが仕様通りに動作するかを検証します。
• 受け入れテスト（顧客側）: ユーザーがプログラムを希望通りに使用できるかを確認します。

1.2. 品質に関するテスト

品質に関して、以下の5つのテストが行われます。

• 機能テスト: ソフトウェアが目的に沿った使い勝手を提供するかを確認します。
• 非機能テスト: ソフトウェアの動作以外の要素に対する検証を行います。
• 構造テスト: ソフトウェアの使用で速度に問題がないかを確認します。
• 確認テスト: 不具合が問題なく修正されているかを検証します。
• 回帰テスト: 機能の追加や変更によって新たな不具合が発生していないかを確認します。

品質保証の手順

1.3. 実行方法に関するテスト

実行方法において、以下の2つのテストが行われます。

• 動的テスト: ソフトウェアを実際に実行してテストを行います。
• 静的テスト: ソフトウェアを構成するコードの記述を検査します。

1.4. 技法に関するテスト

技法において、以下の4つのテストが行われます。

• ブラックボックステスト: プログラムの内部構造を無視し、期待通りに動作するかを検証します。
• ホワイトボックステスト: プログラムの内部構造に焦点を当て、正常に動作するかを確認します。
• 同値分割: グループ分けしたデータから個別または複数のデータを抽出し、検証します。
• 境界値分析: 有効なデータと無効なデータの境界を検証します。
• エラー推測: 経験に基づいて発生しうるエラーを推測し、検証します。

2. テストの作業フロー

実際のテスト作業は、以下の3つの主要なステップで実行されます。

テストの作業フロー

• テスト計画: テストの目的、レベル、範囲、方法、環境、スケジュール、リスク管理などを定義します。
• テスト設計: テスト計画に基づいてテスト手順やテストデータを詳細に決定します。
• テスト実行: テスト計画と設計が完成したら、テストの実行に向けて優先度設定、テストデータ作成、テストスイートの作成、テストツールの準備などの準備を行います。実際のテストを実施し、結果を記録します。

テストの結果を評価し、不具合が見つかった場合は修正と改善を行います。その後、回帰テストを実施して新たな不具合が発生しないことを確認します。

3. ソフトウェアテストの7つの原則

ソフトウェア品質の向上は、ソフトウェアテストの実施が不可欠です。しかし、テストを行う前に、以下の7つの原則を把握しておく必要があります。

ソフトウェアテストの7つの原則

3.1. 不具合の検出のみ

ソフトウェアテストは主に「不具合の存在」を示すものであり、「不具合の存在しないこと」を確認することは不可能です。テストを繰り返して不具合を減らすことはできますが、完全に不具合がゼロであることを確納することはできません。

3.2. 全数テストは不可能

ソフトウェアの処理には無数のパターンが存在し、それらをすべてテストすることは現実的ではありません。全数テストを実施するには膨大な時間、人的リソース、労力が必要です。

3.3. 早期テスト

不具合を早い段階で発見することは、時間とコストを節約するために重要です。時間が経過するほど、不具合を修正するコストが増加するため、開発の初期段階でテストを実施することが重要です。

3.4. 不具合の偏在

ソフトウェアの不具合は特定の箇所に集中することが多い傾向があります。したがって、不具合の発生が予想される箇所を特定し、テストを重点的に行うべきです。

3.5. テストの多様性

同一のテストケースを繰り返し実施すると、最終的に新たな不具合が発見されなくなる可能性があります。これは、実際の昆虫に対する殺虫剤が効かなくなる現象と似ており、これを「殺虫剤のパラドックス」と呼びます。これを回避するために、テスト手法と内容を定期的に見直し、新しいテストを導入する必要があります。

3.6. 条件に応じたテスト

ソフトウェアのテストは、使用目的や期待される効果などの条件に応じて適切に調整する必要があります。

3.7. 不具合ゼロへの執着

「不具合ゼロ」に固執することは避けるべきです。ソフトウェアテストにおいて確認できるのは「不具合の存在しないこと」のみであり、全数テストによってすべての不具合を排除することは実現不可能です。仮に不具合がゼロであっても、ユーザビリティが低下する場合は意味がありません。

4. まとめ

本記事では、ソフトウェアテストについて詳細に説明しました。ソフトウェアの品質向上にはソフトウェアテストが不可欠であり、テストを怠ると経済的な損失、時間の浪費、信頼性の低下、ユーザーの安全へのリスクが発生する可能性があります。しかし、ソフトウェア品質の評価は難しい側面もあります。人間が作成する以上、不具合が完全にゼロになることはありません。したがって、ソフトウェアテストは高品質なソフトウェアを開発するための重要な工程です。

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参考リンク：

https://miichisoft.com/7-considerations-in-downstream-process/